少年野球の先にある未来の扉を開けよう

学童野球ではエース、中学硬式ではショート、ボーイズ県選抜の息子と悪戦苦闘した経験を踏まえ体育大学体育会陸上部出身のお父さんが体育理論を基に野球を客観視した情報を綴っています。

情報のアップデート

技術種目は常に最新の技術がメジャーから日本球界を経て広がってきます。東京における上半身は一つの箱のような形として認識されて箱の回旋にのみエネルギーが送られる認識でしたが近年日本でも胸の張りを意味する胸郭、胸の反りを意味する胸椎の役割に注目が集まっています。

重心に近い位置で大きな筋力を発揮する筋肉が近くにあり関節に近い動きをする場所が胸郭と胸椎です。この両方の機能に注目することで上半身はただの箱でなくなります。

そうなると技術アプローチの考え方が一から見直しになるということです。投球における動作については後ほど記述するとして常に日進月歩進歩していることを前提に技術指導の情報をアップデートしなくてはなりません、自己否定しながら常に正しい方向に自らを導く必要があります。

それは結果が出た声の大きい経験者の声を聞くのでなく、エビデンスに裏打ちされた正しい情報を自らがの目利きで選択しなくてはなりません。

指導者は常にこのことを意識しなくてはならないと心掛ける必要があると感じています

 

 

 

やる気スイッチはどこにあるのか

自主練しろよと言ってもやらない、野球は好きなんだけど必要以上やらない。上手になって欲しいと思うご両親をよそにマイペースな子供というジレンマを抱えている家庭も多いのではないでしょうか。

欲求には段階があり褒めてもらいたいという承認欲求を満たすことことがまず始めにきます。それはいいところを褒めて安心させ褒められるように頑張ろうという段階です。この状態ではまだ自主練を進んでやることはありません、やらなくてはならない義務感からやることはありますがそもそも自主練はなりたい自分になるために自分の時間を潰してまで行う行為です。

何かを手に入れたいという欲求は言い換えれば自己実現の欲求で高いレベルの欲求です。幼少期であればまだまだ身体的、精神的な成長が追いついておらずそこまで考えられる子は少ないように思います。ゴールデンエイジを迎えて体の成長に合わせ運動能力の発達とともに少しずつ自我が芽生え何のために野球をやっているのかに気づく時がやってきます。やる気スイッチが出現するのはこの頃です。

誰かに勝ちたい、昨日の自分から進歩していることを自覚するなど欲求のレベルが上がり達成したいと感じ始めた時にスイッチ入ります。

ポイントはスイッチが入った時を逃さないことです。しっかり自主練にお付き合いすることで能力が一気に伸びます。そこで自信が持てればさらに飛躍が期待できます。

親の立場としては焦らず、怒らず、落ち着いて見守り続けることが重要です。

漠然とした課題への対処

子供は問題を漠然と捉えている場合がほとんどです。漠然としているからこそ対処方法に迷い解決策が見出せずトンネルから抜け出せないことも多いのではないでしょうか。

指導者でなければ解決策を提示できないのでご両親も迷うことも多いと思います。ただし問題を整理することは可能ではないでしょうか。

例えばバッティングのタイミングが取れないという漠然とした問題にどう整理すれば良いのか。お子さんにまずヒヤリングすることです。タイミングが取れないという問題が引き起こしている現象を見つけます。ファールが多い、反対方向しか飛ばない、空振りが多いなどです。

現象が見つけられれば対処方法を考えることが可能になります。例えば反対方向にしか飛ばないという問題が起きている場合、とにかく見極めようと意識するがあまり、失敗しないように打とうと思うがあまり引きつけ過ぎて反対方向にしか飛ばないこともあります。

その場合2ストライクまでは思い切ってセンター方向に向けて強振しポイントを体の前に持っていく、2ストライクの後は見極めるためにバッティングポイントを近くするというカウントごとに整理させることで対処方法が見えてきます。

また練習でできないことは試合でもできません、上記のカウントごとのポイントイメージをバッティング練習時にもイメージすることです。1ストライクの時の心構え、2ストライクの時の心構えを練習時から意識するのです。

練習でイメージできれば本番でも自然とイメージできます。

上記に述べた対処方法は技術的なコメントは少なくどちらかといえば気の持ち用の部分にフォーカスしたアドバイスに留まっています。

しかし漠然な状態から少し具体的になり光が差し込めてきました。

子供が抱える漠然とした課題に一緒に取り組んでみるのはいかがでしょうか。

怪我のリスクを考える

野球に多い怪我は肩痛、肘痛、腰痛と言われています。学童期においては近年投げすぎによる怪我の防止が叫ばれ投手においては投球数の制限などルール化されてきました。

怪我を減らし中学、高校に繋げるという意味に置いて重要なことだと感じています。それ以外にも1週間の練習時間と体育の時間が20時間を超えることや練習中の投球数なども怪我のリスクを高める要素であることも分かってきました。

また胸椎と言われる胸の可動域や股関節の可動域が狭い場合も怪我のリスクが高まります。これは体の体幹いわゆる中心部の動きがスムーズな場合体幹部の筋肉を可動させ末端の筋肉の負担を軽減する働きをします。また出力も大きな筋肉を可動させた方が強くなります。

またリトルリーガーショルダーのように小学生時期は骨の育成途中のため様々なリスクが存在します。

 

上記を踏まえた場合運動負荷をコントロールすること、野球独自の動きである投げる、打つ練習に終始せず、体を動かす運動やトレーニング時間を増やして関節負荷に耐えられる体作り重要ということになります。またゴールデンエイジと言われる神経系が発達する時期なので思うように体を動かせる運動も組み入れてバランス良く体作りを心がける必要があります。

また体全体を使えるように可動域を広げる運動したり疲労が抜けやすくするためにダウンを取り入れていくことも重要だと考えられます。

 

アイシングだけやっていれば良いという偏った知識から抜け出し小学期の体の作りや過度な負荷を軽減する取り組みが今後重要と考えられ広く情報が行き渡り学童野球の指導者が周知される環境が望まれます。

個を束にする それがチーム

指導者は選手の個を伸ばし技術を上達させることが使命であり誰も疑うことはない。

しかしもう一つ優秀な指導者は個を束にする力に長けている。個人技の集合体がもちろんチームであるがそれだけでは強くならない。投手であれば打たせてアウトにする攻め方を身につける。

野手であればボールにギリギリ触れば自分で頑張ったと思うがそれではアウトにならない。アウトにするためにチームのためにアウトを取る努力を見せる。個人主義だった選手が誰かのため他の選手のために献身的なプレーを意識し連携できるかが重要である。優秀な指導者はこれに気づかせることができる。人は皆努力していると自己弁護するがそのバリアを壊していき現実を理解させることができる。

誰かのためは巡って自分のためになる、そこで初めて選手は成長できる。

これをいかに気付かせるかが指導者のテクニックと言える。チームスポーツの特徴は個人技の単純な集合体でなく競り合った時ミスしない雰囲気作り、いつも平静を装うキャプテンシーいつでも追いつける自信、これをいかに作り出すかが個を束にすることでありこの環境作り出す指導者が勝てる指導者に成長していくのだと感じる。

夢と現実 現実と夢

宝くじは買った人しか当たらない。よく聞く例え話しです。そうですなんでもエントリーしなければ結果は訪れません。

プロ野球選手になりたいと思う人しかプロになれません。しかし思っているだけではなれません。それは当然ですね。

また凄い競争力なので叶わない人が大半なのでしょう。だから大半の親は途方も無い夢だと相手にしないことが大半だと思います。

では例えば本気にプロになりたいと考えた場合どうしたら良いでしょうか。小学校で80m遠投で投げるとかとんでもない能力を持っていれば競争に勝つことで可能性を考えられます。しかしそうで無い場合はどうしたら良いのか?まずは一芸に秀でることが近道だと思います。

潜在的な運動能力で叶わないなら後発的に努力で補える能力を磨くことが重要です。足が速いならそれを磨く、陸上部に入って走力を磨きその上で野球を志す選手も最近見かけるようになりました。ハンドリングを毎日トレーニングして持ち替えスピードを上げることで守備を磨くことや野球を知りポジショニングや1歩目のスタートを早く切る能力を啓発したりバットの角度から予測スタートを切るようにして誰よりも早く捕球位置に到達することも訓練によって可能性が高まります。

守備が下手でもバッティングを磨く方法もあります。筋力は鍛えれば誰もが向上します。筋力とスイング技術を磨くことで一流のバットマンに成長できる可能性も出てきます。

高校卒で無理なら、大学、ノンプロ、独立リーグなど時間をかけて磨きをかけることも可能です。発育は個人差があります。大学、社会人と年齢を重ねると学習能力が啓発されてきます。

いつどこで最大のパフォーマンスを発揮するかはやはり個体差があるということです。

最後には年齢と現実を踏まえてプロになれないかもしれませんが、何が不足していたかまでは理解できると思います。

本気で夢を追うにはリスクもありますし年齢を重ねれば生活もありますが、それは一旦置いておいて、夢を叶えようとどこまで努力できるかその目的達成意欲こそ大切な能力だと思います。

夢に向かい現実を合わせていくことが尊いことで始めから現実を見て夢を歪めることは能力啓発の観点からも個性の発揮を妨げる原因かと思います。

この目的達成意欲こそ野球を辞めた後長く続く人生において野球から学べ生かせることかもしれません。

先日も長男がドラフト2位でプロになったお父さんとお話ししました。次男もプロ注目の選手に成長しました。その方は子供の頃からプロで活躍することを目標にして日々問いかけていたと聞きました。

やはり大きな目標を持つ家庭にしか良い現実が訪れないんだと改めて勉強させられました。

プロでも引退時は現実を受け止めます早かれ遅かれです。せめて小学生時期は夢を持たせ可能性を感じさせるそんな親子関係って素晴らしいですね。

個別に 頻度高く 振り返り そして習得

コーチは全員のレベルを平均的にレベルを上げようと技術指導します。しかし相手は小学生エビングハウス忘却曲線通り1週間で8割忘れてしまいます。平均的にゆっくり待っていてもどんどん忘れ去られて技術が積み上がらないことに落胆し熱意が下がるもしくはだんだんアバウトな指導にすり替わっていくことが多いように感じます。

また平均的な指導は個別の問題を解決できず自主的に改善されるのを待つ指導だと結局のところ前にすすみません。

さてこの問題をどのように解決するのか、人数が多ければ多いほど打ち手に悩んでしまいます。

 

ではどうすべきなのか?

 

人数を分けて数人数に細かく指導を繰り返すこと、練習時間でなく練習頻度を上げること、家庭との連携により家庭で振り返ることができる家庭は家庭でサポート、家庭でサポートできない選手は個別指導を多くする。

ツールとしては野球ノートの活用による文字での振り返りも効果的です。

 

複数の指導者の連絡手法として個人レベルチェックシートなど共有フォームなども効果が期待でき連続した練習効果が期待できます。

 

個別に 頻度高く 振り返り そして習得

 

これがキーワードではないでしょうか。

 

この習得にはもちろん興味や動機付けも

大切であることは変わりありません。