少年野球の先にある未来の扉を開けよう

学童野球ではエース、中学硬式ではショート、ボーイズ県選抜の息子と悪戦苦闘した経験を踏まえ体育大学体育会陸上部出身のお父さんが体育理論を基に野球を客観視した情報を綴っています。

ボール持ち替え技術

グローブを購入し始めてキャッチボールができるようになった頃からキャッチ技術があることを知ってトレーニングを積んで来た子とそれを知らずにトレーニングを積んで来た子ではそれは大きな差となります。

手のひらでキャッチすることの重要性を以前にも伝えていましたが、ウェブでキャッチする癖がついてしまうと持ち替えに時間が生じてきます。中学校以降の内野ではそれがウィークポイントとなりレギュラー獲得にとって障害になります。学童野球期であればまず手のひらでボールを掴むことから始めボールキャッチとともに送球する手を添えて持ち替えが始まります。これを繰り返し繰り返し練習することにより時間短縮されグローブに当てたと同時に持ち替えが発生し送球までスムーズに移行していきます。しかしその技術もウェブで捕球する癖がついていたらまず持ってその技術は身につかず捕球から送球まで時間がかかり内野としての技術が不足することになります。

まずは手のひらでしっかりボールを掴むことから始めてスムーズな持ち替え技術を習得する準備を進めていきたいですね。

バックハンド是非

野球では良く耳にする逆シングル、正式にはバックハンドと言います。バックハンドは良くないと指導者は言いますが本当のところはどうなんでしょうか。

送球や打球をキャッチする基本は体の正面で取ること、もう少し具体的に言うならばキャッチ後送球しやすい場所がいわゆる正面と言う言葉に通じると考えます。アメリカや中南米では幼少の時期からキャッチのひとつの方法としてバックハンドを教えています。バックハンドにおける正面は左足の左側でなくおヘソの前です。おヘソの前で捕球すれば正面でキャッチする場所と同じ場所です。グローブの向きこそ反対を向いていますがキャッチ箇所は同じです。この場合は最も捕球しやすい場所であり次の送球しやすい場所とも言えます。

野球が国際的になるにつれてプレーも合理的になりいずれ中南米の技術が一般的になるのではないかと思いますが今の日本ではまだ普及していません。合理的なのになぜ普及しないのか、それは小学生時期はまだ肩も弱く仮にショートの深い場所でバックハンドでキャッチし助走なく送球した場合肩に負担がかかります。これがバックハンドのマイナスイメージの原因なのではないかと思います。

確かに打球の右から入り正面で取り助走をつけて送球した方が体にも優しいですね。

できる限りショートはサード寄りに位置し助走を付けて送球することで無理な送球は防げるでしょう。

ですがバックハンドで捕球できることに越したことはありません、そもそもサードはライン際はバックハンドですしセカンドはそもそも送球距離が短いです。

他の技術同様学童時期に身につけておく技術のひとつかもしれません。使う使わないは中学以降のチーム方針に沿いますが、捕球技術のひとつとして考えた方が良いかもしれませんね。

技術と力感の解釈

技術力は長い間練習していない、体力の変化などにより落ちていくことがあります、しかし毎日練習していても子供の時期は客観的な立場から気付かないと本人の解釈から変化してしまいます。子供のうちは軽く投げるよりも力感が伴い投げる方が正しいと思いがちです。本来の力感とは身体全体を効率よく使いそれが流れるように動いていく様に感じられるものです、子供の力感とは小さい筋肉を過度に使用する力感に頼りがちです。小学5年から6年にかけては体の成長期による筋力アップがとかく勘違いの始まりとなりますのでそこを指導者は理解しながら技術習得に励まなくてはなりません。

今回の実例は投球における上体の使い方に技術のズレが発生しました、上体の機能は背骨を軸とした回旋運動により動力を生み出しますが、体を被せる前屈運動に頼った投球フォームに変化していました。結果リリースポイントが安定せずまたキャッチーミットを直視できないため目標物も見失ってしまいます。改めてどのように使うべきか修正する必要があります。技術とは積み上げながら習得させるものでありながらその途中では個人の解釈によりスレが生じてきます。そこを早期に気づき正しい技術に修正することで間違った癖がつく前に前進することができます。

親と子供の距離感

学童野球時においてはあたかも今が一番大切だと親は思い込みます。それはなぜなのか、仮に長男であれば久しぶりに勝負を味わう感覚がしびれさらに野球経験者であれば勝負師の感覚が呼び戻されつい熱くなる。学童野球時は教えれば教えただけ上達するだからつい熱が入る。子供と一緒に栄冠を獲得し共に喜べると千載一遇のチャンスと熱が入る。そもそもスポーツは熱が入るなど色々要因があると思います。

確かに学童野球時期は子供と時間を共有できるから子育ての観点からも熱が入るのもうなずけますしそれ自体を否定するものではありません。悪いのは強制することです。ねばならない。という価値観を強制することが最も良くありません。野球人生は続ければ長い、子供の人生は子供のもの諦めも悲しみも辛さも全部子供のものです。ではどの様な距離感であるべきかそれは原点に戻り親子の関係に準ずることです。親の務めは自律した子を育て親無き後も自分の足で歩いていけるように育てることです。それしかないのです。

では学童野球ではどのような距離感が適切かと考えるといつも見てくれている人、自分の存在を認めてくれる人、困った時に寄り添える人、そして励ましてくれる人、一緒に悩んでくれる人。この関係はそもそも親子の関係です。学童野球が正しい親子関係を築くきっかけになります。核家族化により親も子も人間関係能力が欠如し始めています。しかし野球を通じて他人と関係し合う非常に良いきっかけになると感じています。

子供を尊重した態度が後に親を尊重した態度を育て子の成長に役立ったことを感じることでしょう。

守備におけるアライメント

投球におけるアライメントのことを以前書きました、http://lj705ina253.hatenadiary.com/entry/2017/09/23/234615

同じ投げる動作ですから、もちろん守備のスローイングでも同様のことが言えます。瞬発的にスローイングする内野でも同様です、アライメントの基本は体の方向が送球の方向を向いているかということです。止まった状態から開始する投手の投球と比較して動きの中で作らなければならない動作なのでそれだけ難しいということです。内野手であればボール捕球後肩の位置を送球する方向に向けることです。捕球後動作として重要なのは捕球後のステップを踏む右脚を投げる方向に向け踏み出し土踏まずの位置が送球位置に対し90度の位置に踏み出しその後左肩を送球位置に向けます、この動作により投手の投球と同じような位置付けなります。体の向きが一定なり大きな筋肉の動きがコントロールされると腕や手など末端は同じ動作がしやすくなります。小さな動作を意識するよりも大きな動作をコントロールすることで結果再現性が高まるということです。

しかし動作の中でこれを実行する為には、ステップの踏み方や体の回旋を実行する筋力も必要になります。またバランスを取る巧緻性などの能力を伸ばす必要もあります。

これは内野守備だけでなく捕手の送球や外野の送球でも同じことが言えます。

土台になる足の位置、体の回旋を生む肩の位置ここを固めることで結果送球の安定性が飛躍的に向上します。

技術がずれた時どうするか

積み上げた息子の技術がくずれていくことがあります。それはお父さんが積み上げた技術と指導者が教える技術の相違から生まれてきます。クラブチームではなかなか口出しできないことも多いはずです。

それは長い野球人生では必ず起きる現象です。将来的に起きる問題です。学童野球時期にも同様なことは起きます。

ではどのように対処したら良いのかということですが、投げる骨子、打つ骨子をすでに習得しているか否かここに解決の起点があります。なければアドバイスを受けとにかく試すことです。それを繰り返すことでマッチする技術に出会い技術の骨子を学ぶことになります。

半面すでに技術の骨子を学んで習得していても本人は認識していないことが多いのです。なぜ打てたのか何を学んで打てたのかそれを知ることです。指導者は年代と共に変わります。教える論理や声のかけ方も変わります、都度子供はそのアドバイスに右往左往します。

そのアドバイスが合っていればトンネルは抜けます、しかしある程度の技術を習得している場合はトンネルに突入します。特に学童時期はその変化を見て感じ子供とすりあわせることが重要です。

親が全て理解している場合は課題は早く解決されますがそうでない場合は一緒に悩まなくてはなりません、その場合寄り添うことが重要であまり余計なアドバイスは不要です、自分で気づくしかないのです。これはかなりハードルが高いですが親としては寄り添い子供の悩みを一緒に感じることです。答えはでないかも知れませんが問題を解決できる子は自分で解決します。技術の骨子と照らし合わせ自分なりのズレを発見します。技術的問題を発見できる親もいますがそうでない場合は子供が気付かないと解決は遅くなります。紆余曲折しながらいずれ解決します。それを体験することが最終的な成長に思います。

野球ほど複雑な競技はあまりありません、そこにどっぷり浸かり一緒に悩むことも時に必要です。

送球における足の位置

守備における内野ゴロの捕球後の送球ですが送球が乱れることがよくあります。悪送球もエラーの内出来る限り減らしたいと皆そう思います。

減らしたいと思うけどどうやって防いだら良いのか迷うところです。送球の基本はキャッチボールですまずは正しくキャッチボールが出来ているかどうかここから確認が必要です。キャッチボールの基本は右投げの場合受ける側に肩を向け右足も相手から90度の角度です。踏み出す足は相手にまっすぐ向かい右足と左足は90度の関係です。

右足の位置が送球の方向性を決めます、送球の基礎となる位置を決めることが重要でありそれが右足です。この位置さえ決まればあとは左足の位置を確認しその土台の上で上半身の送球が始まります。

守備時の時も同様です。ボールをキャッチし送球の際、内野であれば右足は送球するファーストに対して90度になっているかまた左足がファーストを向いているかという土台の向きを確認してください。意外に違う方向を向いている場合が多いのではないかと思います。

捕球し毎回右足の向きがバラバラの場合不安定な土台の上で毎回上半身だけで微調整をしなくてはなりません、少しでも速く送球しアウトにしたいと考える時に上半身の調整は難しいです。なのでそれが送球エラーの原因の一つになります。

足の位置はそのまま力の向かう方向です。自動車のハンドルと同じです、まっすぐハンドルを握りまっすぐ走れば運転は思う様に出来ます。しかしハンドルがまっすぐなのに自動車自身が蛇行していたらコントロールが難しくなります。それと同じ理屈です。

キャッチボールの足の位置から見直してみてください。