少年野球の先にある未来の扉を開けよう

学童野球ではエース、中学硬式ではショート、ボーイズ県選抜の息子と悪戦苦闘した経験を踏まえ体育大学体育会陸上部出身のお父さんが体育理論を基に野球を客観視した情報を綴っています。

投球動作の基礎

次男も4年生になり本格的にピッチング練習を始めました。以前下記の様な投稿しています。

http://lj705ina253.hatenadiary.com/entry/2017/09/23/234615

始めは本人の思うように投げさせました。形も動きも悪く無いように見えました。しかし体の回旋を意識したフォームを覚えさせて投げさせると球威が全然ありません、やはり肩の筋力に頼り投げていたことが良くわかりました。学年が上がるにつけ小学生は思うように動けるように成長してきます。

そのため肩の力感を感じるようになりフォームで投げると言うよりは思いっきり地肩で投げる方が気持ちいいようです。

しかし正しい動きを教えることで少し窮屈かもしれませんが力感が少なく体全体で投げるコツを掴むことができ省エネ投法が可能になります。長男ではその知識が疎かったが故に2度の肩痛に悩まされました。

まだまだ本格的な登板は少ないですが、この1年間は正しい身体の使い方を学ばせることに重点を置きます。

本人は身体の回旋とヒップファーストによる並進運動の力の伝達が難しいようです。まだまだ始めたばかりなので動作と動作のつなぎを覚えさせながら徐々に投手としての技術を習得させようと考えています。

現在長男は中2ですが、硬式チームで投手も兼任していますが、この動作を習得したことでリリースが安定し7割くらいの力なら思うような制球力が身についているようです。身体の向きが安定しリリースポイントが安定することが重要だと改めて認識されました。

次男は本格的な登板を5年生くらいを想定し育成に当たろうと考えています。

育成における時間の観念

学童チームを育成するにあたり学年別で必要な要素は以前下記記しました。

http://lj705ina253.hatenadiary.com/entry/2018/01/14/162529

これに必要な観念として時間を考えなくてはなりません。短期間である程度教えることも可能ですが必要な時間は必要であるということです。

技術を習得するまでの時間、それを自分ごととして認識する時間、それを活用して相手を上回ると考える時間、これは理解、認識、習得、使用というプロセスを踏むからです。

これは学校でも社会でも同じように感じます。であればなおさら社会性を育む意味でもこのプロセスと時間を費やすことの重要性を認識します。

まず野球技術は時間をかければ習得が可能です。人によって時間のかかり方は異なりますが、しかしその技術を試合で使えるものにするには実戦練習が必要です。ゲームを想定した練習に加えて、練習試合の数にある程度比例してきます。技術を試合で使えるようになって初めてチームとしてどう優位に立つかと言うステージに到達します。

強豪と言われるチームに関してはこのあたりのこの辺りにコツがあります。先発投手が試合を作り守備を固く守り自滅しなくなり、その上で精神的に優位に立ち余裕を持ってバッティングに集中できるのです。

小学2年生から取り組みを開始したとすると4年間かけて上記をマスターすることが重要であり時間がかかると言う観念を持ちながら1年1年を無駄にしないように指導しなくてはなりません。

親としての声のかけ方2

以前親としての声のかけ方

と言う題材で下記の通り書いています。

http://lj705ina253.hatenadiary.com/entry/2018/01/16/002328

その続編です、前回はどう聞きやすくするかと言うアプローチに関する内容でしたが今回はテクニカルな点をお伝えします。

特に自宅や帰り道での車中で大会や練習試合でのパフォーマンスについて話しをする際の声のかけ方です。

まずバッティングや守備でプレーした内容を思い出しながら振り返ります、その際間違っても説教や叱咤ではなくあくまでもパフォーマンスに対してのみ言及してください。それはまずあのプレーどうだったと質問形式で引き出すことです。相手が小学生なのでまともな答えは帰ってきませんがそれもトレーニングです。まずはなぜできたのか、なぜできなかったのかを深堀る必要があります。ポイントを絞りバッティングであれば振り遅れるとか真に当たらないとか色々な答えが返ってきますがその攻略法まではまず辿りつきません、ですが何が問題かと言う部分には到達します。そこからです。アドバイスを送るのは、動画や静止画があればなお良くイメージと実体のギャップを掴めます。例えば振り遅れると言う反省にたどり着いた場合、足をあげるタイミングが遅かったりスローボールを投げる投手と同じタイミングで振り出したりなんらかの原因が見えてきます。準備が早くできればあとは振るだけですからそれで問題解決される場合も多いのです。

しかしその声かけが無かった場合原因追求と解決まで長い時間を要します。本来それは指導者の役割ですが全ての部員の全ての動作まで洞察できない可能性もあるために一緒に考える習慣を作ることです。問題が見えれば解決も早い解決が早ければ次の課題に取り組めます、このサイクルが早い子は上達も早くなります。それは親からの声かけでもだいぶ改善されさらにはそれを繰り返すことで考えながら野球に取り組むと言う一番重要な資質を育てることにつながります。一緒に考える意識的に声をかける。実戦してみてください。

バッティングの初期指導

長男と次男との年の差が4つあります。次男は小学4年生です、バッティングにおいては初期指導が終わる頃です。長男と次男では技術指導のタイミングが違います、長男は思いっきり振ることを優先させ技術指導はだいぶ遅れてから、次男はまず最低限の技術を教えてその後自由にやらせています。

兄弟とも進行系なので正解はわかりませんが現在の地点では技術を教えて自由にした方が良いと感じています。

長男は思いっきり振らすことを優先させたが故に頭が動くいわゆるスエーし開きが早いクセがつきました、高学年になり技術指導を開始しましたが、やはり癖はなかなか治りませんでした、中学生になっても時折その癖が顔を出します。癖と言うものは幼少の時から作られている為そう簡単に治るものではありませんでした、方や次男は3年生時にスイングの初期技術を習得させました、そのため長男の様なスエー動作はありません。

癖は治すのに時間もかかりますしとにかく遠回りになります。気持ち良いスイングは技術向上の妨げなります。

実のところその裏側にあるものは、父親である私自信が長男が幼少の時バッティングのメカニズムの理解に乏しかったため教えられなかったと言うのが本音のところです。

やはり野球と言う競技は投げる、捕る、打つと言う三大技術をまず持って教え習得させることが重要でのち強豪チームになったりスラッガーとして成長したりするのは初期指導が上手くいっていることでありそのため回り道や修正に時間をかける必要がなくなりスムーズな成長が見込めると実体験から感じています。

学童期における怪我とその防止

運動を本格的に始める学童期において極力怪我は未来のためにも避けたいところです。しかし野球は覚えなくてはならない技術や戦術が多いためそれを短期間で習得させようとすると自ずと負荷がかかり怪我につながりやすい環境にあります。まずは野球に多い怪我を紹介します。

一番多いのは肩と肘です。肘では 野球肘と言われる腱の炎症や損傷、軟骨の炎症など肩も同様な炎症やリトルリーガーズショルダーと言われる骨の傷害が多いですね。これを防止するには方法は二つ一つは正しい投球フォームを身につけることもう一つは投球数を制限することです。こちらはアメリカのガイドラインです。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kiyokotaniguchi/20160719-00060130/

 

 

この様に投球数を制限することが最大効果を発揮します。私の息子も学童期に2度肩を痛めました、短い期間に集中して練習したこと投球フォーム技術習得が不十分だったことがやはり要因でした。今中学生になり投手と野手を兼任していますが、投球練習も無く実戦練習を中心に行う事で投球数も制限され今のところ怪我なく練習に励んでいます。

投球後のケアも重要です。投手はアイシングすれば良いと思っていますがそれだけでは不十分です。疲労は肩甲骨周り上腕筋にもしっかり疲労が溜まっています。基本は風呂で湯槽にしっかり浸かることで血流が促進され湯槽に浸かる事で重力からも解放されます。そしてストレッチ、また知識がある方はスポーツマッサージを施し連戦が続く時や練習が続く時など継続的にケアすることをオススメします。小学生にとお思いでしょうが筋力も筋肉量も少ない時期だからこそ体に負荷がかかりますので習慣化させることをオススメします。

試合に乗れない子の対策

練習ではミスなく平気な顔してプレーしている子は特に運動能力の高い子に多いです、しかし大会になると突然緊張しいつものプレーができなくなる子を良く見ます。

これは試合に乗れていないのです。その傾向を見ると勝ちにこだわりが薄い子、チームとしての連携に関心ない子にその傾向が強いです。学童期において数多くの勝利やタイトルを手にした経験を持つ子は練習でも試合でもどちらも同じ感覚でいます、それが勝利を目指すことと知っているからです。

では試合に乗れない子に対してどの様なサポートをしなくてはならないかと言うテーマですが、ひとつはチームの中の個人と言うことを理解させるコト、もう一つは勝利を味わうことです。まずチームの中の個人と言うテーマですが、これはケーススタディーを活用しながら自分がどの様な立ち振る舞いをしなければならなかったのかを振り返って指導が必要です。投手であればひとり相撲にならない様に常に野手を頼りにして信頼を勝ち取るかにかかっています。守りがいなければ野球は成立しません、チームを背負いチームに助けられと言う感覚を醸成しなくてはなりません、その考え方が身につくといつも客観的な判断が下せる様になり投手として調子が悪くても修正できる様になり打たせて取る方法に切り替えられます。常にこの意識を育てなくてはなりません。

また野手の場合は緊張する事でエラーが発生したり速い打球についていけないことがあります。これもなぜ起きるのか、それは想定力が乏しいのです。自動車を運転する人なら教習所で学ぶのは予測運転しなさいと教わります。これはいきなり飛び出すかもしれないとか内輪差でひいてしまうかもしれないなどリスクを想定することが重要なのです。

回が進めばグランドも荒れます、石が転がっているグランドもあります、常に全力プレーが必須ですが、イレギュラーバウンドにも想定した日々の練習が必要です。常に何が起きるのかを想定して準備することこれを心掛けるのです。サードなら速い打球に対応するにはポジショニングも気を使うしバントしそうならおのずと前進守備になります。

指導者は試合でのミスを表面だけ叱るのでなく裏側にある選手の準備や稚拙な点を常に目を配り逐次問いかけや考え方を修正させるべきです。

型と動作連動性

静止画と動作は根本的に違います、本来の静止画は動作途中を切り抜いたもので意図として静止画の動作を意識していないことが多いのです。代表的な例として内野守備の際右投げであれば補給時左足が前に出てつま先側をあげます。これは一つの型ですがそれを意識しすぎて反面ブレーキになっているケースをみます。もともとつま先をあげるのは捕球後のステップを踏みやすくし加速させるための予備動作なのです。上げたつま先を降ろすことで動きが加速されます、ですがそれは捕球からスローイングまでの動作のひとつに過ぎません、重要なのはゴロを立体的に見るよう右側から捕球動作に入るところから捕球する位置そして左足よりも右足の動きと連携する事で一連の動作になります。バッティングでも良く見ます。プロ野球選手のルーティンを真似ることが良くあります。三冠王落合選手が活躍した頃バッティングセンターに行くと神主打法を真似ている人を良く見かけました今では坂本選手の真似をしている子も多いんじゃないかと思います。

落合選手の神主打法はリラックス、コックの意識、割れのキッカケとしてルーティン化した動作が神主打法ということです。バットをダラリと垂らすことが神主打法ではないということです。王選手のフラミンゴ打法、イチロー選手の振り子打法、種田選手のガニ股打法、など個性的な打法でバッティングするプロ野球選手がいましたがどれも苦手な部分を補うか得意な面を伸ばすか何かの理由があるはずです。型や静止画のものまねでは野球は上達しないことがお解りだと思います。動作の開始から終了までスムーズな動きの連鎖を意識して指導にあたることをお勧めします