少年野球の先にある未来の扉を開けよう

学童野球ではエース、中学硬式ではショート、ボーイズ県選抜の息子と悪戦苦闘した経験を踏まえ体育大学体育会陸上部出身のお父さんが体育理論を基に野球を客観視した情報を綴っています。

バッティングの初期指導

長男と次男との年の差が4つあります。次男は小学4年生です、バッティングにおいては初期指導が終わる頃です。長男と次男では技術指導のタイミングが違います、長男は思いっきり振ることを優先させ技術指導はだいぶ遅れてから、次男はまず最低限の技術を教えてその後自由にやらせています。

兄弟とも進行系なので正解はわかりませんが現在の地点では技術を教えて自由にした方が良いと感じています。

長男は思いっきり振らすことを優先させたが故に頭が動くいわゆるスエーし開きが早いクセがつきました、高学年になり技術指導を開始しましたが、やはり癖はなかなか治りませんでした、中学生になっても時折その癖が顔を出します。癖と言うものは幼少の時から作られている為そう簡単に治るものではありませんでした、方や次男は3年生時にスイングの初期技術を習得させました、そのため長男の様なスエー動作はありません。

癖は治すのに時間もかかりますしとにかく遠回りになります。気持ち良いスイングは技術向上の妨げなります。

実のところその裏側にあるものは、父親である私自信が長男が幼少の時バッティングのメカニズムの理解に乏しかったため教えられなかったと言うのが本音のところです。

やはり野球と言う競技は投げる、捕る、打つと言う三大技術をまず持って教え習得させることが重要でのち強豪チームになったりスラッガーとして成長したりするのは初期指導が上手くいっていることでありそのため回り道や修正に時間をかける必要がなくなりスムーズな成長が見込めると実体験から感じています。

学童期における怪我とその防止

運動を本格的に始める学童期において極力怪我は未来のためにも避けたいところです。しかし野球は覚えなくてはならない技術や戦術が多いためそれを短期間で習得させようとすると自ずと負荷がかかり怪我につながりやすい環境にあります。まずは野球に多い怪我を紹介します。

一番多いのは肩と肘です。肘では 野球肘と言われる腱の炎症や損傷、軟骨の炎症など肩も同様な炎症やリトルリーガーズショルダーと言われる骨の傷害が多いですね。これを防止するには方法は二つ一つは正しい投球フォームを身につけることもう一つは投球数を制限することです。こちらはアメリカのガイドラインです。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kiyokotaniguchi/20160719-00060130/

 

 

この様に投球数を制限することが最大効果を発揮します。私の息子も学童期に2度肩を痛めました、短い期間に集中して練習したこと投球フォーム技術習得が不十分だったことがやはり要因でした。今中学生になり投手と野手を兼任していますが、投球練習も無く実戦練習を中心に行う事で投球数も制限され今のところ怪我なく練習に励んでいます。

投球後のケアも重要です。投手はアイシングすれば良いと思っていますがそれだけでは不十分です。疲労は肩甲骨周り上腕筋にもしっかり疲労が溜まっています。基本は風呂で湯槽にしっかり浸かることで血流が促進され湯槽に浸かる事で重力からも解放されます。そしてストレッチ、また知識がある方はスポーツマッサージを施し連戦が続く時や練習が続く時など継続的にケアすることをオススメします。小学生にとお思いでしょうが筋力も筋肉量も少ない時期だからこそ体に負荷がかかりますので習慣化させることをオススメします。

試合に乗れない子の対策

練習ではミスなく平気な顔してプレーしている子は特に運動能力の高い子に多いです、しかし大会になると突然緊張しいつものプレーができなくなる子を良く見ます。

これは試合に乗れていないのです。その傾向を見ると勝ちにこだわりが薄い子、チームとしての連携に関心ない子にその傾向が強いです。学童期において数多くの勝利やタイトルを手にした経験を持つ子は練習でも試合でもどちらも同じ感覚でいます、それが勝利を目指すことと知っているからです。

では試合に乗れない子に対してどの様なサポートをしなくてはならないかと言うテーマですが、ひとつはチームの中の個人と言うことを理解させるコト、もう一つは勝利を味わうことです。まずチームの中の個人と言うテーマですが、これはケーススタディーを活用しながら自分がどの様な立ち振る舞いをしなければならなかったのかを振り返って指導が必要です。投手であればひとり相撲にならない様に常に野手を頼りにして信頼を勝ち取るかにかかっています。守りがいなければ野球は成立しません、チームを背負いチームに助けられと言う感覚を醸成しなくてはなりません、その考え方が身につくといつも客観的な判断が下せる様になり投手として調子が悪くても修正できる様になり打たせて取る方法に切り替えられます。常にこの意識を育てなくてはなりません。

また野手の場合は緊張する事でエラーが発生したり速い打球についていけないことがあります。これもなぜ起きるのか、それは想定力が乏しいのです。自動車を運転する人なら教習所で学ぶのは予測運転しなさいと教わります。これはいきなり飛び出すかもしれないとか内輪差でひいてしまうかもしれないなどリスクを想定することが重要なのです。

回が進めばグランドも荒れます、石が転がっているグランドもあります、常に全力プレーが必須ですが、イレギュラーバウンドにも想定した日々の練習が必要です。常に何が起きるのかを想定して準備することこれを心掛けるのです。サードなら速い打球に対応するにはポジショニングも気を使うしバントしそうならおのずと前進守備になります。

指導者は試合でのミスを表面だけ叱るのでなく裏側にある選手の準備や稚拙な点を常に目を配り逐次問いかけや考え方を修正させるべきです。

型と動作連動性

静止画と動作は根本的に違います、本来の静止画は動作途中を切り抜いたもので意図として静止画の動作を意識していないことが多いのです。代表的な例として内野守備の際右投げであれば補給時左足が前に出てつま先側をあげます。これは一つの型ですがそれを意識しすぎて反面ブレーキになっているケースをみます。もともとつま先をあげるのは捕球後のステップを踏みやすくし加速させるための予備動作なのです。上げたつま先を降ろすことで動きが加速されます、ですがそれは捕球からスローイングまでの動作のひとつに過ぎません、重要なのはゴロを立体的に見るよう右側から捕球動作に入るところから捕球する位置そして左足よりも右足の動きと連携する事で一連の動作になります。バッティングでも良く見ます。プロ野球選手のルーティンを真似ることが良くあります。三冠王落合選手が活躍した頃バッティングセンターに行くと神主打法を真似ている人を良く見かけました今では坂本選手の真似をしている子も多いんじゃないかと思います。

落合選手の神主打法はリラックス、コックの意識、割れのキッカケとしてルーティン化した動作が神主打法ということです。バットをダラリと垂らすことが神主打法ではないということです。王選手のフラミンゴ打法、イチロー選手の振り子打法、種田選手のガニ股打法、など個性的な打法でバッティングするプロ野球選手がいましたがどれも苦手な部分を補うか得意な面を伸ばすか何かの理由があるはずです。型や静止画のものまねでは野球は上達しないことがお解りだと思います。動作の開始から終了までスムーズな動きの連鎖を意識して指導にあたることをお勧めします

幼少時のバッティング基礎

最近バッティング技術の多様化が進んでいます。V字打法としてダウンに降ろし始めた軌道を突然アッパーに切り替える技術や後ろ脚に体軸残して引きつけて打つ技術など様々な技術が紹介されています。ですが小学生時はまず体力も筋力もありません、さらには投手は変化球を投げません、その場合まず必要なスイングは一番気持ちよく力が入るスイングを行うことです。引きつけてなるべく後方で軸回転するような打法は筋力が必要であり皆ができるものではありません。しっかりとヘッドをきかせて前方で捕らえる打法をお勧めします。まず必要な体験は思い切って振れることそして思い切って飛ばすことに魅力があります。しかしドアスイングなどを克服することも必要です。しっかりとした技術を教えてそれをもとにスイングすることが大切です。そこでまず飛ばせるという感覚を学ぶと同時にレベルスイングの習得が重要です。それが出来れば中学生でも間違いなく打てると思います。レベルスイングはバッティングの最大公約数です。右バッターの場合当たるのが早ければレフトへ遅ければライトへ飛んでいきます。いかにバッティングのミスを軽減できるかが上達を促すコツです。

打てることは楽しいと思います。楽しさ、思いっきり、そしてヒットを重ねるそのベースを育てていくことが重要です。

中学生になると変化球への対応が始まり投球の見極めがバッティングプロセスに加わります。その場合でも応用のきくレベルスイングを身につけた場合対応しやすくなります。バッティングを点で捕らえるよりも投球の線とスイングの線のライン同士を合致させる意識がのちに役立つバッティング技術として育っていくことでしょう。

 

練習効果上げるには

練習は大きく分類するとふたつ分類されます。体の能力を上げるフィジカル練習、動きや動作の精度を上げる技術練習に分類されます。普段の練習が何を目的としておりどのような能力を啓発させるものなのかを明確にしておく必要があります。まずはフィジカル練習ですが、野球に必要な体力をつける事ですが、野球は学童野球では1時間半から2時間までに終わる事が多いですがそこで実践されるプレーは瞬発的な動きが大半です。瞬発力を向上させるトレーニングの必要性が高いということです。ただし長い時間パフォーマンス続けなくてはならないためのトレーニング別途必要になります、しかしそれは長距離などの持久力を上げることとは違います。ただし呼吸器循環器系の能力を上げるために長い時間トレーニングはたまにあっても問題はありません。

ただしその比率は良く考えておく必要があります。技術練習の基本は正しい動作を覚えるためには正しい動き自体を理解させることそして習得のために反復繰り返し無意識の状態でも正しい動作ができるようにすることが重要です。

また技術練習の効果を上げるためにはイメージトレーニングを重視してください、これは練習後にやるものでなく技術練習前や最中に行うことで成果が上がります。動作のコツや分かりやすいチェックポイントを設けてセルフチェックできるようにし頭の中で動作を構築するものです。小学生ではイメージ自体教えることが難しいので足をどこに着くとか分かりやすいチェックポイントを設けることをお勧めします。

バッティングの予備動作

バッティングの動力について前回は記述しました。その大きな動力はそのままでは上手く使えません。回旋運動といっても90度から100度しか回旋しないのでその回旋に移る前の予備動作が重要です。クラウチングスタートの様な固定スタートよりも加速をつけてスタートラインを切った方が速く走れるのは当たり前だと思いますが回旋角度が少ないバッティングではこの予備動作を上手く活用することで加速度の高いスイングが可能になります。では予備動作と一般的に言われている動作ですが、割れ、ヒッチ、コックがその予備動作です。順を追って説明しますが、まず割れと言う動作ですがバットを構えた位置からタイミングを取り後ろに引く動作のことを言います。弓を引く動作似ています。バットを引いてトップの位置に持っていくことで筋肉が伸長され伸ばされた状態になります、その状態からバットスイングを開始するとスイングの加速につながりスムーズなスイングが可能になります。かの三冠王落合選手は最も割れを意識したフォームでバットスイングします。左足の位置とグリップの位置が最も離れたストレッチした状態を作っています。

次はヒッチ動作です、これはメジャーの選手や過去は王選手やランディバース選手が使っていた動作です。グリップを真下に下げる動作です。これもバットスイング前の加速する役割があります、しかし現代ではトップの位置が決まらないなど推奨されていない動作と言われていますがもともとは加速を増す動作なのです。最後にコックです。これはゴルフプレーする方は良く聞く用語ですが、これは手首の角度です。手首の角度を維持することでインパクト時の右手と左手を切り替える力になります。このコックが早く解ける選手はヘッドが走らずインパクトまで時間がかかりルーズなバッティングフォームになります、ソフトバンクの内川選手のコックの使い方は抜群です、この動作が内川選手の長い間コンスタントにヒットが打てるひとつの要因になっています。大きな動力と今回の予備動作を組み合わせてバットスイングが完成に向かいます。