少年野球の先にある未来の扉を開けよう

学童野球ではエース、中学硬式ではショート、ボーイズ県選抜の息子と悪戦苦闘した経験を踏まえ体育大学体育会陸上部出身のお父さんが体育理論を基に野球を客観視した情報を綴っています。

vol.7 道具②

道具の続きですがグローブを例に取り道具の重要性について専門的観点から述べていきます。

まずグローブは革製品です。また打球を直接受ける道具であり守備に取って最も重要な道具です。道具の見極めはどのような考えで行うべきかということからお伝えしていきます。

まず子供はどのようなプレーヤーなのか全てはそこが重要です。初心者なのか上級者なのか初心者であれば基礎技術を学ぶ上でその邪魔をせず習得技術のサポートする観点です。前回も述べましたがまずは掴めることが優先されます。耐久性はその次、ブランドや価格もその次です。

では上級者はどのような観点で選ぶべきか、それはそのプレーヤーがどの様な捕球スタイルかによります。中南米の選手のようにシングルキャッチがメインであれば指先の丈夫さが重要です。また日本的に当て捕りが重要ならば手のひらの張りがありシワがよらないまたグローブの深さもプレースタイルによって好みが異なります。

まず自身が持つ技術をどう生かすかそしてどう補助するかを考えましょう。それに合致するグローブを探すことが重要です。

しかしグローブを生産するメーカーは商売なのでどう買って頂くかが重要なのです。この辺りで売り手と買い手の認識が若干ずれます。生産者側は色、使用プロ選手、ロゴなど見栄えや流行が大切です。いかに欲しくさせるかということに長けているということですね。ブランドやグレード、カラーはたくさんあるがグラブの浅さに段階があったり捕球から考えた革素材のバリエーションは少なかったりします。

グローブのグレードは以下の通りで決まってきます。革は若い牛の革は値段が高くキメが細かい、いわゆるカーフと言われる革です。また歳を取った革はステアやブルと言ったキメが粗く伸びやすい革を使います。上級モデルはいわゆる若い革を使うケースが多いということです。ただしここからは専門的ですが原皮まで知って買っているユーザーは少ないです。海外の原皮それも暑い気候、寒い気候で育った牛の環境でも異なります。また海外の皮は検疫があるので薬品につけてから日本に入ります。しかし日本生産の皮はそのプロセスが省かれます。

その為革が丈夫と一般的に言われています。キャッチャーミットに良く使われる理由です。

また皮を薬品につけて革にしていくプロセスをなめしと言います。このやり方でも革の個性が異なります。素材だけでも原皮、なめしという工程を経てようやくグローブの使う素材になります。

原皮の繊維の状態、海外製か国産か、皮膚の厚さ、なめし加工手法によって革の出来栄えが決まります。

次にグローブの中にある骨の代わりである芯材の話しです。芯材はプラスチックの板をウールもしくは化繊で覆ってできています。これもグローブ工場によって個性が異なります。天然素材の方が馴染みが良くソフトしかし化繊の方が丈夫という素材の違いまたプラスチックの硬度と厚さも工場によって異なります。

そして最後に型紙と言われる設計図です。動きがと伴いキャッチを想定した立体構造です。計算されたグローブは閉じた時を想定して作られているので手のひらにシワが寄りにくく関節部分で折れ曲がります。これもグローブ工場によってその作り方は異なります。基本の型紙をベースに指だけ長さを調整している工場、立体物なので品番が異なれば型紙そのものを1から作る工場もあります。

当然一から型紙を作り全てが計算されて生産された方が良いのは当然です。ただしそれができるできないは職人の腕次第なのです。

そして縫製、組み立ても箇所によってミシンを使い分けている工場、一つのミシンで組み立てている工場もあります。

このようにグローブ一つ取っても非常に複雑な要素が積み重なり出来上がっています。このような複雑で見えにくいからこそ、ブランドやイメージ先行で買われてしまう要因かもしれませんね。

素人では知ることが叶わない要素も多いため、このことを良く知っている販売員がいるお店で購入することをオススメします。どのようなプレーヤーになりたいか、そこにはグローブは欠かせないパートナーなのですからお店で相談してベストに近いグローブを選ぶことが大切なのです。

紙一重の差でレギュラーになるかもしれない時グローブが助けてくれるかもしれません。

 

どんなグローブが良いか気になる方は直接お問い合わせ下さい。