少年野球の先にある未来の扉を開けよう

学童野球ではエース、中学硬式ではショート、ボーイズ県選抜の息子と悪戦苦闘した経験を踏まえ体育大学体育会陸上部出身のお父さんが体育理論を基に野球を客観視した情報を綴っています。

親と子供の距離感

学童野球時においてはあたかも今が一番大切だと親は思い込みます。それはなぜなのか、仮に長男であれば久しぶりに勝負を味わう感覚がしびれさらに野球経験者であれば勝負師の感覚が呼び戻されつい熱くなる。学童野球時は教えれば教えただけ上達するだからつい熱が入る。子供と一緒に栄冠を獲得し共に喜べると千載一遇のチャンスと熱が入る。そもそもスポーツは熱が入るなど色々要因があると思います。

確かに学童野球時期は子供と時間を共有できるから子育ての観点からも熱が入るのもうなずけますしそれ自体を否定するものではありません。悪いのは強制することです。ねばならない。という価値観を強制することが最も良くありません。野球人生は続ければ長い、子供の人生は子供のもの諦めも悲しみも辛さも全部子供のものです。ではどの様な距離感であるべきかそれは原点に戻り親子の関係に準ずることです。親の務めは自律した子を育て親無き後も自分の足で歩いていけるように育てることです。それしかないのです。

では学童野球ではどのような距離感が適切かと考えるといつも見てくれている人、自分の存在を認めてくれる人、困った時に寄り添える人、そして励ましてくれる人、一緒に悩んでくれる人。この関係はそもそも親子の関係です。学童野球が正しい親子関係を築くきっかけになります。核家族化により親も子も人間関係能力が欠如し始めています。しかし野球を通じて他人と関係し合う非常に良いきっかけになると感じています。

子供を尊重した態度が後に親を尊重した態度を育て子の成長に役立ったことを感じることでしょう。

守備におけるアライメント

投球におけるアライメントのことを以前書きました、http://lj705ina253.hatenadiary.com/entry/2017/09/23/234615

同じ投げる動作ですから、もちろん守備のスローイングでも同様のことが言えます。瞬発的にスローイングする内野でも同様です、アライメントの基本は体の方向が送球の方向を向いているかということです。止まった状態から開始する投手の投球と比較して動きの中で作らなければならない動作なのでそれだけ難しいということです。内野手であればボール捕球後肩の位置を送球する方向に向けることです。捕球後動作として重要なのは捕球後のステップを踏む右脚を投げる方向に向け踏み出し土踏まずの位置が送球位置に対し90度の位置に踏み出しその後左肩を送球位置に向けます、この動作により投手の投球と同じような位置付けなります。体の向きが一定なり大きな筋肉の動きがコントロールされると腕や手など末端は同じ動作がしやすくなります。小さな動作を意識するよりも大きな動作をコントロールすることで結果再現性が高まるということです。

しかし動作の中でこれを実行する為には、ステップの踏み方や体の回旋を実行する筋力も必要になります。またバランスを取る巧緻性などの能力を伸ばす必要もあります。

これは内野守備だけでなく捕手の送球や外野の送球でも同じことが言えます。

土台になる足の位置、体の回旋を生む肩の位置ここを固めることで結果送球の安定性が飛躍的に向上します。

技術がずれた時どうするか

積み上げた息子の技術がくずれていくことがあります。それはお父さんが積み上げた技術と指導者が教える技術の相違から生まれてきます。クラブチームではなかなか口出しできないことも多いはずです。

それは長い野球人生では必ず起きる現象です。将来的に起きる問題です。学童野球時期にも同様なことは起きます。

ではどのように対処したら良いのかということですが、投げる骨子、打つ骨子をすでに習得しているか否かここに解決の起点があります。なければアドバイスを受けとにかく試すことです。それを繰り返すことでマッチする技術に出会い技術の骨子を学ぶことになります。

半面すでに技術の骨子を学んで習得していても本人は認識していないことが多いのです。なぜ打てたのか何を学んで打てたのかそれを知ることです。指導者は年代と共に変わります。教える論理や声のかけ方も変わります、都度子供はそのアドバイスに右往左往します。

そのアドバイスが合っていればトンネルは抜けます、しかしある程度の技術を習得している場合はトンネルに突入します。特に学童時期はその変化を見て感じ子供とすりあわせることが重要です。

親が全て理解している場合は課題は早く解決されますがそうでない場合は一緒に悩まなくてはなりません、その場合寄り添うことが重要であまり余計なアドバイスは不要です、自分で気づくしかないのです。これはかなりハードルが高いですが親としては寄り添い子供の悩みを一緒に感じることです。答えはでないかも知れませんが問題を解決できる子は自分で解決します。技術の骨子と照らし合わせ自分なりのズレを発見します。技術的問題を発見できる親もいますがそうでない場合は子供が気付かないと解決は遅くなります。紆余曲折しながらいずれ解決します。それを体験することが最終的な成長に思います。

野球ほど複雑な競技はあまりありません、そこにどっぷり浸かり一緒に悩むことも時に必要です。

送球における足の位置

守備における内野ゴロの捕球後の送球ですが送球が乱れることがよくあります。悪送球もエラーの内出来る限り減らしたいと皆そう思います。

減らしたいと思うけどどうやって防いだら良いのか迷うところです。送球の基本はキャッチボールですまずは正しくキャッチボールが出来ているかどうかここから確認が必要です。キャッチボールの基本は右投げの場合受ける側に肩を向け右足も相手から90度の角度です。踏み出す足は相手にまっすぐ向かい右足と左足は90度の関係です。

右足の位置が送球の方向性を決めます、送球の基礎となる位置を決めることが重要でありそれが右足です。この位置さえ決まればあとは左足の位置を確認しその土台の上で上半身の送球が始まります。

守備時の時も同様です。ボールをキャッチし送球の際、内野であれば右足は送球するファーストに対して90度になっているかまた左足がファーストを向いているかという土台の向きを確認してください。意外に違う方向を向いている場合が多いのではないかと思います。

捕球し毎回右足の向きがバラバラの場合不安定な土台の上で毎回上半身だけで微調整をしなくてはなりません、少しでも速く送球しアウトにしたいと考える時に上半身の調整は難しいです。なのでそれが送球エラーの原因の一つになります。

足の位置はそのまま力の向かう方向です。自動車のハンドルと同じです、まっすぐハンドルを握りまっすぐ走れば運転は思う様に出来ます。しかしハンドルがまっすぐなのに自動車自身が蛇行していたらコントロールが難しくなります。それと同じ理屈です。

キャッチボールの足の位置から見直してみてください。

初心者におけるバットの選び方

小学生1、2年生で野球を始めた場合、バットの長さ、重さに迷います。当然長くて重い方が遠くへ飛ばせますしかしそれはしっかり振れてでの話、では最初のバットはどう選んだらよいのでしょうか。

結論から言うと短くて軽いバットをオススメします。長さでは69センチ以下、重さは350から450グラムまでで選ぶと良いと思います。バッティングの初期段階ではまずは思いっきり振る楽しさを学びます。そして放物線に描かれたボール当てるためにコントロールも必要です、そのため重いバットでは思うように振れずストレスがかかります。さらにはボールに当てるのが難しくなります。これでは楽しくありません、まずは原始的に遠くへ飛ばす意欲をかけたてることを教えます、それが野球の楽しさを学ぶきっかけになります。

大人からすればボールをバットで打つことは容易いと思いますが小さな子供からすればかなり難しいことです。

放物線を描いたボールの軌道にあの細いバットを振りながら当てるということはどちらも動いているわけですから当たることを想定の上でバットを振り始める訳ですからこのように考えると結構難しいと思っていただけると思います。

まずはこの段階をクリアすることが大切です。

技術的な面だと体全体を使い振るという動作ができれば次の段階でドアスイングの修正や技術面の指導に入れます。バットのスイング軌道を作るには右バッターであれば左手のスイングが優先になりますがそんなことも後でいいのです。振れるようになってきたら右バッターであれば左手によるリードを教えてていきます、それも3年生以降でいいです。

思いっきり打つということは人によっては左手を使って力を伝える打ち方をする子や右手を使って打つ子どちらの力感が強くても構いません、いずれどちらも使うことになりますから大丈夫です。

まずは思いっきり振りながら当てることを優先して野球の本質は点取りゲームということがわかればそれで構いません。

投げ方はどう教えるのか

先日投げ方を教えて欲しいとお父さんからお願いされました。息子さんは小学校4年生です、どうしてもかつぎ投げが治らないというものです、かつぎ投げとはボールがずっとバッターの方を向きながらバッグをかつぐような動作で投げることです。なかなか治らないんだと言うことです。

技術的に言うと腕が内旋しながらボールを下ろし肘をあげます、肘が肩のラインを越える前に腕を外旋させながら肘をゼロポジションの位置、ちょうど目線に肘が来る位置です。そこから肘が先行させながら内旋しフォローするのが正しいですがこんな難しい事を言っても子供は解りません。頭が混乱します。

同じ動作をいかに簡単に伝えるか、私はこう伝えました。水泳のクロールの動きしてみなと伝えると簡単に上記の動きをやり始めます。クロールの動作はボール投げる動作の途中まで同じ動きをします。肘が上がればあとは投げるだけです。今までその動作を全く理解できなかったお子さんはものの1分で正しい動きを体感することができました。

お父さんの目からウロコとはこのコト、その後バッティングなど悩んでいる事をたくさん打ち明けてくれました。

クロールの動作でトップが出来たらあとは先に書いた通り肘先行させその後手首が出てくる動きを教えるとそれだけで投げ方を理解したことなります。技術的には理解しても力感が入らないことやコントロールが一時的に悪くなることもあります、ここからは少し辛抱して癖付けさせ習得させ動きを自動化させて完成です。技術的なことはお父さんが理解し子供には難しい事を簡単に言える引き出しの数だけ指導力につながると思います。

学童野球の目的

学童野球で頑張る子供達を抱えるチームは日本全国で12000チームあります。規模でいえばとても多い団体だと思います。

そのチームで何を大切にするのかその目的が重要に思います。プロの指導者が教えるクラブ、父親達が教える部活の延長上にあるクラブ、ベテラン指導者が中心となり教えるクラブ、様々な形態が存在します。

どのクラブに入れようとも、重要なことはあまり大差は無いように感じています。その目的は社会性を学び自立する礎を学ぶ場所であること、中学なり野球を続ける準備をすることこの二つに集約されるように考えています。まず社会性という面ですが様々な指導者と仲間に囲まれながら練習、試合に臨みます。レギュラーで出れる出れない、指導者が厳しい優しいなど親としては見るも苦しいことが起きます。しかし社会は機会均等であれども平等ではありません、全てが合理的でもありません理不尽なこともたくさんあります。それを家庭とは違う場で味わえることは教育的観点からも有効に感じます。

中学生になり野球を続ける準備とはやはり体を痛めない基礎基本な投げ方、打ち方を習得することまた技術というベースの部分は習得したいところです。それはやはりスポーツなので自分の目的を達成させる術の一つだからです。

ここ二つベースを学び卒団していくことが大切だと感じています。

子供親の生き写しですし、自分が熱中したスポーツに取り組んでくれるし子供が痛いと親も痛いだから守ろうとする、でもそれも間違っているように思います。

親としては降り掛かった困難を息子が乗り切るためにどうバックアップできるかここがポイントです。子供が悩みそこにそっと手助けするような関係が自らの困難を乗り越える習慣につながります。

そして一番重要なのは怪我をしないことこれは子供でな指導者の責任です、教える側は少しの無理ならいいですがどうしたら怪我をするかそれも使い過ぎによる故障が一番の問題です。まだ先は長いです、どう先に届けるか、これを家庭、指導者は考えなくてはなりません。