少年野球の先にある未来の扉を開けよう

学童野球ではエース、中学硬式ではショート、ボーイズ県選抜の息子と悪戦苦闘した経験を踏まえ体育大学体育会陸上部出身のお父さんが体育理論を基に野球を客観視した情報を綴っています。

バッティングは引くのか押すのか

バッティングには諸説がたくさんあります。バットは前の腕でリードしていくことが大切と言う考えもあれば後ろの腕で押したり叩いたりすることが大切と言う考えもあり、初心者や初心者指導者は迷うところです。

ではどちらが重要なのか、それは両腕でバットは振るものなので両方重要です。しかし順序はあります。野球を知る早い段階から後ろの腕を意識するといわゆるドアスイングの温床となります。ドアスイングにならない為には体の回旋の動力に引っ張られるのは前の腕です。その力を利用しスイングをリードします。こちらの動きが優先されまず習得が必要な動作です。リードされたスイング起動に対し後ろの腕の働きは我慢します。グリップが先行したところでようやく後ろの腕が動き始めます。そしてヘッドが遅れて出てくることにより広角に打つスペースが生まれます。始めのうちには前の腕がリードし後ろの腕は後で活躍します、この動きをまず作ることが重要です。

スイングにおける前腕と後ろ腕の役割が固まったところでようやく後ろの腕の活躍が始まります。前腕と後ろ腕が切り替わる位置で後ろの腕の活躍が始まります、身体の回旋の力をさらに拍車をかけるべくインパクト時に後ろの腕で押します、これでさらなる加速させると共にインパクト時のボールに負けぬように押し込むことで加速した打球が飛びます。

この技術が浸透してくるとレベルスイング長さが増してスイートスポットが広がりヒットゾーンが広がります、またバットの遠心力が加速することで外角低めのボールに負けないスイングが完成します。

この順序を間違えないよう時間をかけてスイングは作りたいものです。

野球指導の先にあるもの

小学生時における野球指導の本当の目的は何かと言うことですが、そもそも野球はゲームであり遊びです、みんなと体を動かし遊び感覚で体力を増進するこれが底辺のベースにある目的です、しかしスポーツは競い合うもの必ず勝者と敗者が存在します。ゲームは勝つから楽しいと言うこれも遊びの原点です、勝てないより勝てた方がいいに越したことはありません。大会で優勝する多くのチームで競い一番になることはそのチームに属するメンバー全ての喜びに変わります。

体力増進による楽しいから努力の先にしか味わえない喜びの獲得を比較するとそれは努力と言うのプロセスを重要視するかしないかの違いです。

しかしこの勝利というものが盲目になる原因にもなり得ます、それは勝利に重きを置きすぎるが故に無理を強いて勝利に向かおうとする、

それは子供が納得しない感情による叱責、成長を妨げるかのような過度な練習、勝利と引き換えに代償とする考え方です。

しかしそれも正解のように思えません、本来あるべき姿は体力をバランス良く増進させ健康に成長期を過ごすことが人としての重要な要素です、そこに努力の先に見える成功、努力の先に見える技術習得、皆で努力した友情、難しい課題には長い期間を要しコツコツ積み上げることの重要性を学ぶこと、野球部という社会を通じて大人へ成長する人間関係を学ぶなどこのサイクルを学ぶことが最も重要に思えます。

これは勝利を否定するものでなく、適切なプロセスを通じてまた時間をかけて無理なく指導するという原則を元にその先に栄光があるという考え方です。

適切な負荷は適切な回復を示し成長を促します。戻れない犠牲の上に獲得しなくてはならないと言う覚悟はもう少し年齢を重ねてからでも遅くないと思います。

指導者は正しいプロセスを通じた技術指導を心がけ、成人に向かう成長期にある子供をいかに正しいルートで心身ともに成長させるかと言う重要な役割を担っていると考えています。

これが野球指導の先にあるものだと思います。

サッカー日本代表に学ぶチームの作り方

やりましたね。サッカー日本代表

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180629-00000109-mai-socc

見事予選突破です。

下馬評では3戦全敗で予選敗退が大半の予想だったでしょう、しかし大方の予想を覆し見事予選突破です。

半年前の代表から何が変わったのかそれはただ一つ監督が変わったことです。指揮する監督によってここまで結果が変わるとは、野球の指導者でも多くを学ぶべき事例の様に感じています。オシムから日本が学び繋いできたことの集大成に他なりません、オシムが監督に就任して13年が経過しました。その時15歳の子は28歳まさしく代表の中心です。

日本サッカーには走るそしてパスする、また器用であり他人との連動した動きができることが特性です。予選対戦したポーランドは速い縦パスからシュートチャンスを作る戦術を多く見られました。日本も前監督では速い縦パスを多用せよと指示が出ていましたがそれはあまり相性が良くないのでした。

そして西野監督に代わりパスでつなぎ、スピードの変化をつけられる乾、柴崎、香川選手による変化やセンタリングにより得点を取るというスタイルを確立しました。

ここからの学びは選手による得意不得意を掌握し自チームの個性を理解した上で戦術を決めることです。また選手同士の相性をどのように作り出すかここに監督の手腕が試されるところです。チームを奮起させ我慢させ盛り上げる選手が外野にいた場合影響が少なく内野にいた場合励まし合います。

またバッティングなど打順にもその影響が出ます、選手どうしがどう科学反応を作り出すか選手同士のつなぎをどうするか、この辺りの参考にしサッカー日本代表を見るのも一興です。

 

 

野球における走る技術とは

自己紹介でもある通り私は大学の陸上部出身です。短距離系種目だったので走る技術を教えるのが本職です、野球における適切な走り方と言う観点で見ている人が少ないので私なりの野球に活かせる技術をお伝えします。

そもそも走ると言う動作とはどういうものかという基礎的なことですが、走るというのは重心を速く移動させる行為です、しかしただ直線を走れば良いという陸上競技と違い膨らんだり牽制で戻ったり直線を走ったり守備でボールを追ったり様々なケースで走ることが求められます。走るを分解するとピッチとストライドに分けられます、ピッチは速く足を回すことストライドは一歩の幅です、野球の場合は守備ではボールを追いながら走るため目線の上下動は避けたいところですし、ベースランニングのRは陸上のトラックよりもキツイためあまりストライドが広い走りは向いていません、極力上下動せず重心を前に進めるためにはストライドよりピッチを生かすことを優先させます。

盗塁など相手がありスタートも相手あっての場合スタートを切るためにどちらかに荷重を傾けることはできませんが、慣性の法則の通り動かないものを動かすにはそれ相応の動力が必要であり無駄な空気抵抗は避けたいです。ですから盗塁のスタートを切った際出来る限り重心を低く取り大腿筋で体を押せる状態を取ります、加速してくるとそれ以上体を押す力が必要なくなりブレーキせぬよう重心をスイングさせる動作に移ります、盗塁では3分の2までは加速、残り3分の1でスピード維持ですがすぐにスライディング準備に入るのでスピード維持する距離よりも加速する距離が長いため、加速が得意な選手ほど盗塁に向いてることになります。必要な資質は1500mの記録よりも30mの記録の方が重要です。

足の運び方は膝を真っ直ぐに出し足も真っ直ぐ付き出来る限り重心の真下で着地し跳ぶ意識でなくある程度重心が進んだらすぐに次の動作に移る走り方が野球に向いています。まずは真っ直ぐ歩くことから始めることをオススメします

投球動作の基礎

次男も4年生になり本格的にピッチング練習を始めました。以前下記の様な投稿しています。

http://lj705ina253.hatenadiary.com/entry/2017/09/23/234615

始めは本人の思うように投げさせました。形も動きも悪く無いように見えました。しかし体の回旋を意識したフォームを覚えさせて投げさせると球威が全然ありません、やはり肩の筋力に頼り投げていたことが良くわかりました。学年が上がるにつけ小学生は思うように動けるように成長してきます。

そのため肩の力感を感じるようになりフォームで投げると言うよりは思いっきり地肩で投げる方が気持ちいいようです。

しかし正しい動きを教えることで少し窮屈かもしれませんが力感が少なく体全体で投げるコツを掴むことができ省エネ投法が可能になります。長男ではその知識が疎かったが故に2度の肩痛に悩まされました。

まだまだ本格的な登板は少ないですが、この1年間は正しい身体の使い方を学ばせることに重点を置きます。

本人は身体の回旋とヒップファーストによる並進運動の力の伝達が難しいようです。まだまだ始めたばかりなので動作と動作のつなぎを覚えさせながら徐々に投手としての技術を習得させようと考えています。

現在長男は中2ですが、硬式チームで投手も兼任していますが、この動作を習得したことでリリースが安定し7割くらいの力なら思うような制球力が身についているようです。身体の向きが安定しリリースポイントが安定することが重要だと改めて認識されました。

次男は本格的な登板を5年生くらいを想定し育成に当たろうと考えています。

育成における時間の観念

学童チームを育成するにあたり学年別で必要な要素は以前下記記しました。

http://lj705ina253.hatenadiary.com/entry/2018/01/14/162529

これに必要な観念として時間を考えなくてはなりません。短期間である程度教えることも可能ですが必要な時間は必要であるということです。

技術を習得するまでの時間、それを自分ごととして認識する時間、それを活用して相手を上回ると考える時間、これは理解、認識、習得、使用というプロセスを踏むからです。

これは学校でも社会でも同じように感じます。であればなおさら社会性を育む意味でもこのプロセスと時間を費やすことの重要性を認識します。

まず野球技術は時間をかければ習得が可能です。人によって時間のかかり方は異なりますが、しかしその技術を試合で使えるものにするには実戦練習が必要です。ゲームを想定した練習に加えて、練習試合の数にある程度比例してきます。技術を試合で使えるようになって初めてチームとしてどう優位に立つかと言うステージに到達します。

強豪と言われるチームに関してはこのあたりのこの辺りにコツがあります。先発投手が試合を作り守備を固く守り自滅しなくなり、その上で精神的に優位に立ち余裕を持ってバッティングに集中できるのです。

小学2年生から取り組みを開始したとすると4年間かけて上記をマスターすることが重要であり時間がかかると言う観念を持ちながら1年1年を無駄にしないように指導しなくてはなりません。

親としての声のかけ方2

以前親としての声のかけ方

と言う題材で下記の通り書いています。

http://lj705ina253.hatenadiary.com/entry/2018/01/16/002328

その続編です、前回はどう聞きやすくするかと言うアプローチに関する内容でしたが今回はテクニカルな点をお伝えします。

特に自宅や帰り道での車中で大会や練習試合でのパフォーマンスについて話しをする際の声のかけ方です。

まずバッティングや守備でプレーした内容を思い出しながら振り返ります、その際間違っても説教や叱咤ではなくあくまでもパフォーマンスに対してのみ言及してください。それはまずあのプレーどうだったと質問形式で引き出すことです。相手が小学生なのでまともな答えは帰ってきませんがそれもトレーニングです。まずはなぜできたのか、なぜできなかったのかを深堀る必要があります。ポイントを絞りバッティングであれば振り遅れるとか真に当たらないとか色々な答えが返ってきますがその攻略法まではまず辿りつきません、ですが何が問題かと言う部分には到達します。そこからです。アドバイスを送るのは、動画や静止画があればなお良くイメージと実体のギャップを掴めます。例えば振り遅れると言う反省にたどり着いた場合、足をあげるタイミングが遅かったりスローボールを投げる投手と同じタイミングで振り出したりなんらかの原因が見えてきます。準備が早くできればあとは振るだけですからそれで問題解決される場合も多いのです。

しかしその声かけが無かった場合原因追求と解決まで長い時間を要します。本来それは指導者の役割ですが全ての部員の全ての動作まで洞察できない可能性もあるために一緒に考える習慣を作ることです。問題が見えれば解決も早い解決が早ければ次の課題に取り組めます、このサイクルが早い子は上達も早くなります。それは親からの声かけでもだいぶ改善されさらにはそれを繰り返すことで考えながら野球に取り組むと言う一番重要な資質を育てることにつながります。一緒に考える意識的に声をかける。実戦してみてください。