少年野球の先にある未来の扉を開けよう

学童野球ではエース、中学硬式ではショート、ボーイズ県選抜の息子と悪戦苦闘した経験を踏まえ体育大学体育会陸上部出身のお父さんが体育理論を基に野球を客観視した情報を綴っています。

個の力をチームの力に変える2

クイックキャッチボールがある程度出来たら塁間ボール回しにチャレンジしましょう。時計回り反時計回り斜め法則はお任せしますが、回し方を決めてどれくらいのタイムで回すことができるかこれにチャレンジです。これはまさしく守備の連携の基本です。焦った時の一塁送球、ダブルプレーの早急、中継プレーのキャッチボール、キャッチャーからのセカンド送球などをトレーニングすることができどの位置に投げるかどう捕球してどう送球するかという実践的な能力が身につきます。ボールを回さない人はカバーです。カバーもひとつのプレーです。これも重要なチームプレーです。

これができればかなりの守備力アップです。次に習慣化させるべきプレーはランダウンプレー日本語だと挟殺プレーです。ランナーを塁間で挟み確実にアウトにするプレーです。これは二人のプレーが連動しなくてはならずまた順番も交互に行うことからチーム全員で習得すべきプレーです。詰めるのはホームから離れたベースです。ランダウンプレーが失敗しても影響が最小限に抑えられるからです。仮に3塁とホームで挟んだ場合ホーム側は早くボールを投げ3塁側に向かって追います。ボールを投げる際ランナーと交錯しないことです。クロスするとボールが見えなくなりキャッチできないこともあります。守備では味方を良く理解すること相手が受けやすく投げやすいボールを投げることが結果自分が受けやすく投げやすいボールが来ることにつながります。

個の力をチームの力に変える

個人技術向上について書いてきました。個人の力は重要ですが、野球はチームプレイ、チームとしての戦力を上げることが勝利に必須条件となります。

特に大切なのは守備と走塁です。守備は中継プレー、ランダウンプレーなど個々の動きを連動させるプレーが1試合にいくつも出くわします。しかしそこでミスすると簡単に進塁し失点につながります。捕って投げるだけですが連続した動きで行うことが難しいのです。相手はいつも同じ場所に投げてくれません、でもそれを適切にキャッチし暴投しないように送球しなくてはなりません、連動するキャッチボールはその練習しなくては上達はあり得ません。連続するクイックキャッチボールがどれだけ続くか、塁間ボール回しなどプレッシャーがかかる練習をどれだけ正確にできるか、このトレーニングが必要です。これを毎日繰り返すことでどう受けたらいいのか。どう投げたらいいのかと言う課題をチーム皆で気付きを得ることで上達を迎えることができます、そこで初めてチームとして艇をなしてきます。

ではどの様な練習すべきかと言う点ですが、まずはクイックキャッチボールです。1対10人になり、連続したクイックキャッチボールを行います。1はずっと受けて投げ続けます。10人は交代交代です。エラーせずどこまで続くか、2周くらいで交代しこれを11人分続けます。まずこれで1の人が大変だと気付きます。相手になる10人は相手のことを考えながら送球します。連動した動きはここから始まります。この際ボールをどこでキャッチするかが重要です。右投げであれば半身になり受ける側から見て右側で受けられれば次の送球がやりやすくなります。投げる人の右側に投げクイックで返す、塁間まで距離を伸ばせればそれでかなりの上達が見えてきます。ここからスタートです。

投手の育て方

チームにおける勝利の肝は投手に影響されます。では学童野球期における投手の育て方はどうすればよいか?それが分かればこれほど力強いノウハウはありません。

投球における運動力学的な要素は並進運動と身体の回旋運動この二つの力学によって投球の力が発揮されます。方やコントロールという要素にも悩みます。並びにくい二つの要素をドッキングさせることが投手としての能力啓発に重要な要素と言えます。

では優先順位は何かというと並進運動と回旋運動を正確に行うことを優先させるべきです。この二つの動作は大きなエネルギーを生みます。なので重要です。

では何を気をつけるべきかと言うと並進運動は肩のラインを地面と平行にすべきです。その上でヒップファーストという右投げなら左脚を内側に配置してお尻から落ちていくような動作でマウンドの高さによる位置エネルギーを使いながら並進運動を行います。その力を利用した後前脚を着地した後身体の回旋を始めます。背骨を軸として回旋することで並進運動の力を増幅させることができます。ここからは腕の振りに移行する訳ですがここからの技術は複雑のため別途説明しますが、リリースポイントを前に身体の回旋に合わせて腕を振るのです。

大きな身体の動きとを感じることで投球の勢いが変わります。しかし今述べたことは実戦教育も踏まえると習得に1年は時間を要します。それだけ投手育成に時間がかかりますので事前に育成時間を読み込み育成を開始すべきですね。

親としての声のかけ方

子供に野球させる親は誰もが活躍してもらいたいと思います。また元野球部など親が経験者の場合とかく気になるものです。

頑張ろうとする息子、サボろうとする息子、あまり頑張ろうとしない息子色々いると思います。熱心な親は頑張ろうとする息子を期待します。しかしあまりのプレッシャーは逆に期待を裏切ります。子は親によく似ています。自分が言われて嫌なことも言っているかもしれません。ではどの様な関係がいいのか、それはいつも自然であること自然とは気づいたら側にいるということ困った時だけ側にいる状態です。子の負担にならずいつも見守りイライラ感情をぶつけず困っていると判断した時に声をかける状態がいい関係です。

その時には過去にも触れていますが、客観的に問題課題を理解しておくことです。子供に取って親のアドバイスは必要な時以外はあまり必要としていません、ただでさえチームの指導者から様々指導されているのですから。

困った時に心に染みるアドバイスができるかと言うことです、その関係が子供のやる気を掻き立てます。温かく見守られている安心感が困難に立ち向かう勇気を与えます。また出来たことをしっかり褒めるのです。

イライラを抑えて適時アドバイスできるようになるといい距離感になってきます。アスリートにとってパフォーマンスに対して誹謗されると極端にモチベーションが下がります。パフォーマンスには客観的な論理的アドバイスが効果的でありこれはコーチング論でも証明されています。指摘や叱るのはスポーツに対する姿勢やしつけ部分です。ここからも言えることは子供のパフォーマンスに一喜一憂し口を挟むのでなく、なぜできたからできなかったかを深掘りしてあげることです。

しかし試合の朝 寝坊したり、忘れ物絶えなかったり、指導者の話を聞かなかったり、練習に身が入らない時などは姿勢の問題ですしっかり子供と向き合い叱ることも必要です。しかしそれが毎週では参ってしまうので程々にしてください。野球好きならばいずれしっかり野球に向き合うようになります。

大切なのは自分がプレーするのでなく息子がプレーすると言う前提を理解することですね。

いつまでに何を学ばなくてはならないのか

学童野球は野球人生における土台を作るべき期間です、中学高校と続けて行くのであればなおのこと土台づくりが重要になります。

中学高校その中でもクラブチームを選択した場合できていることが当たり前のように指導されます、しかし土台になる学童野球期にそれを網羅的に習得されていないと野球を知らないという判断で遅れをとる場合があります。

またひとつでも最後の大会に残りたいと学童野球で考えているようであればなおのこと網羅的な指導が必要になります。

期間を小学生の学年で区分けした場合、2、3年生時は正しく投げること、正しくキャッチ出来ること、そして重要なのは走塁の判断です。瞬時に打球の勢い方向、自分の立ち位置を認識判断することを自動化させる場合長くトレーニングを行う必要があります。これは早いことに越したことはありません、低学年時期は走塁だけで勝利することも可能なので勝利への手段と理解すれば取り組みも熱が入ります。怪我しにくい正しく投げ方、ボールを補強するポケットの位置そして走塁の優先順位が高いです。

続いて4年生で取り組むことは守備です。守備を習得するのはゴロへのアプローチからステップ送球までの一連の動き、送球から捕球までの流れ、クイックキャッチボールやボール回し技術です。そしてランナーがいる場合どれくらいの打球でどの方向だった時の判断力、これは先に走塁の判断を学んだことで格段に習得が早くなります。守備と走塁で試合が出来るとかなりの確立で試合が成立します。

また4年生で取り組み始めが必要なのは投手育成の開始です。ストライクが安定して入る投手を育成しようとすると最低でも1年は必要です。肩肘の怪我を考えても力がつき始める4年生から取り組むことをお勧めします、その際最低3名は並行して教える必要があります、守備と走塁できれば投手は相手チームの投手と四球の数の競い合いが勝負になります。1年間は我慢して教えるのです。

投手、守備、走塁が育ったところでようやくバッティングに比重をおきます、バッティングは体の大きさと関連が大きいため、それまでは楽しく思いっきり振るレベルで良かったがある程度体も大きくなる5年生ではバッティングの比重を高める必要があります。6年生で最後勝てるチームは打てるチームです。5年生では意識してバッティングを磨きましょう。バッティングは基本動作の習得など当然必要ですが、何球打ったか何球振ったかが重要なので疲労が残らない程度にスイング数を増やしましょう。5年生秋からは新人戦も始まるため、5年生になったら実戦練習や練習試合を定期的に行いそれぞれの学年で習得した技術が実戦で使われているかどうかという視点、競い合った時の負けないための駆け引きなどはこの時期に習得されます。

学童野球の指導経験が薄い場合はとかくキャッチボール、ノック、フリーバッティンだけに練習が偏ることがあります、しかし野球は要素別に分けて多数教えることが多いため期間別に教えるべき項目を決めて指導されることをオススメします。

技術の浸透とは

バッティングにしてもピッチングにしても技術の向上は階段の様に積み上げていくものと言うことは何度も申し上げていますが、せっかく階段を登っても技術が浸透していなければ元に戻る事を注意しなくてはなりません。

体は筋と腱と骨でできていますが、その3つを駆使して動作は生まれます、技術は一度習得してもそれまで慣れてきた筋の動きに揺り戻されてくるのです。

技術の習得が生み出すものはスムーズな体の使い方による効率的なパワーの伝達を実現します。その分力みイコール体の力感が減り弛緩と収縮のバランスが生まれます。しかし子供達は弛緩と収縮のバランスを理解できず力感の強い収縮を意識した技術に揺り戻されます。しかし本人は気持ちはいいですがいずれ怪我の温床になると共に周りのレベルが上がった場合相対的にレベルが下がってきます。

これを理解しながら日々の変化に注意が必要です。ではどのようにすればいいかと言う事ですが、基本動作は毎日反復練習をする事です、バッティングであれば素振り、ピッチングであればシャドウピッチングです。これを意識して20回やるだけで技術が維持されます。

実際バッティング技術を向上させるにはもっと回数が必要ですが一度掴んだ技術の浸透を図るには回数でなくイメージと体の動きを毎日セルフチェックする事が重要です。これでかなりの技術の後退を防ぐことができます。

筋と腱では組織も違い役割も違います。筋は制御できますが腱は制御できません。そこに骨による動きの制約が入ります。動かしにくい骨を筋を使って動かすわけですからやはり技術の浸透は復習が重要となります。

内野ゴロ捕球の注意事項

程よいスピードの内野ゴロですが、どう捕球するかという基本的なことですが、ゴロの場合はゴロの転がりの方向を線で捉えその線の右側から見てゴロ線を立体的に捉え捕球に向かいますが、この際平凡なので待って取るか平凡であっても出来る限り前で捕るか迷うところですが、確実にアウトにしたいという考えと常に攻めて捕りたいという考えが交錯します。学童野球では極力前で捕りゴロと言えどもバウンドし始めで捕球することをお勧めします。

待った場合アウトタイミングはワンチャンスです。ミスしたらもう時間がありません、しかし前に出て時間を詰めた場合ミスしてももうワンチャンス生まれます。

また回が進むとグランドは荒れます、そうなるとイレギュラーバウンドの恐れがでます、土のグランドでは常につきまとうイレギュラーです。それに備えるにはバウンドし始めで捕球することで対応できます。

捕球後の送球はゴロへの入り方が重要でありスピードを殺さず捕球する事で送球への勢いが付きます。

あるプロ野球チームの試合を観戦したことがありますが、平凡なセカンドゴロに対して名手と言われる選手は大きく回り込み一塁側にスピードを持って捕球し送球していました。送球を意識した足を使った動き出しが平凡なゴロでも重要であることを示してくれた守備でした。

いくつものイレギュラーやミスを想定した守備機会を意識させて平凡なゴロこそ最大に準備して対処することをお勧めします