少年野球の先にある未来の扉を開けよう

学童野球ではエース、中学硬式ではショート、ボーイズ県選抜の息子と悪戦苦闘した経験を踏まえ体育大学体育会陸上部出身のお父さんが体育理論を基に野球を客観視した情報を綴っています。

スランプ脱出の糸口

以前息子スランプへの対処として下記内容でブログを記載しています。

http://lj705ina253.hatenadiary.com/entry/2017/09/12/001759

9月の投稿ですからあれから3ヶ月です。実は糸口を見つけたものの解決には相当時間を要しました。

トップの肘の張り方に課題がありましたが、技術に加えデッドボールの恐怖心からタイミングの取り方まで狂いが生じていました。糸口はどこにあったのか、それは真摯に自分のバッティングに向き合ったことでした。

客観的な動画静止画から何が課題なのかを捉えてそれを自分なりに咀嚼し解決策を見出しました、2日前にトップを作るタイミングについて本人に話をしましたが、本人からはそこを意識するのではなく足をあげるタイミングを変えると自分なりの答えを見つけていました。

本日は見ることはかないませんでしたが2試合でヒット3本を放ち、それもバントヒット、左中間、ライト前と右へ左へと本人の良さが戻ってきました、正確には戻ってきたというより一から作り直したというところでしょうか。自分と向き合う力をつけたことが本当の意味でスランプへの対処の有効性の様に感じます。

ここでの学びは過去ブログでも触れましたが静止画、動画で客観的な情報から問題点を見つけ出すこと、ずれてる技術を少しずつ修正することで新しい技術を身につけることでスランプから脱出できたことです。

 

 

狙う大会へのピーク合わせ方

皆さんチームそれぞれ目標とする大会があると思います。しかしどうやってその大会に合わせて戦うかを教えてくれることは少ないです、ではどの様にしたら狙うべき大会に最もいい状態で戦いに臨めるかということです。大切なキーワードはシーズンをつなぐことなのです。ではどのようにつなぐかと言うことですが、どうしても冬がやってくると寒いから体力トレーニングの比率が高くなります。チームによっては全く試合もしないこともあるでしょう、しかしマクドナルド杯の全国大会を狙う場合予選は春にやってきます。暖かくなったらボチボチ調整では間に合わないと言うことです。

いかに前年の秋と次年度の春をつなぐかが重要です。最後のシーズンはとにかく試合に勝たなくてはなりません、そのためには過度に体力トレーニングばっかりやっていては実戦感覚が薄れてきます、秋に見つけた課題を冬に潰して解決させなくてはなりません、冬の練習は体力1実戦練習1、そしてバッティング練習1の割合で冬を過ごすべきです。これは5年生の秋までに走塁と守備の基本を習得してあることが前提ですが。試合形式の練習で試合の勘所を掴み競り勝つコツを掴むこと、投手の投球感覚を忘れないようにすることにメリットがあります。そして後はバッティングです、バッティングは練習時間に比例して打てるようになります。とにかく振り込む打ち込むことです。

そして最後に気をつけることは怪我です。怪我は過度な負荷をかけることで起きます、守備練習でなくバッティング練習と体力トレーニングの比重を増やすことで怪我の防止にもつながります。そこで培った実戦感覚とバッティングで春の立ち上がりがスムーズになります。そして狙う大会前にローカル大会等を入れて最後の課題をクリアしておくことが大切です。

ここまでできればあとはやりきったと言う自信が湧き全てプラスに働きます。

これから冬期練習に入りますが特に最終学年の皆さんはただ漠然と冬を越さないようにして下さい

捕球と位置感覚について

捕球方法は人によって教え方も異なります、しかし体の構造から捕球を捉えると考え方も変わってきます。手のひらで捕球し小指を合わせながら両手で包んでいくのが私は良いと考えています。なぜなら手のひらは通称グローブのポケットという位置でこの場所で捕球することが非常に重要なのです。なぜ重要なのか特に内野手は重要です、外野手捕球は体の外側でキャッチするためまたグローブの長さも長いので手のひらでキャッチするのは少し難しいですね。内野手はキャッチ後すぐに投げる動作に移らなくてはなりません、そのために必要なのです。人間には骨格からどの位置にどの部位があるかを認識する能力が備わっています。その為目をつぶっていても手のひら同士を叩くことが可能です。つまり手のひらにあるボールは目をつぶっていても持ち替えが可能と言うことです。これがウェブというグローブの網の部分でキャッチした場合握りかえるためにボールを探す手間がかかります、その分エラーする確率が上がり持ち替えに時間を要します。両手で捕ると言うことはそんな秘密があったのです、どんな風でもボールはキャッチできますし、やりやすい方法は否定しませんが人間の体の仕組みと次の動作を意識した場合はやはり両手で捕ることをオススメします。

技術を振り返るポイント

阪神の藤浪選手の記事ですが、興味深いコメントがありましたのでそこから考察したいと思います。

http://news.livedoor.com/lite/article_detail_amp/13774423/

 

この記事内にリリースの感覚がないと言うコメントが出てきます。藤浪選手は甲子園で春夏優勝と輝かしい成績を残し160キロの快速球を投げる選手です。そのような選手がリリースの感覚がないと言う素人のようなコメントです。

ここでの考察ですが、教えられたことを何となく感覚で習得していく選手も多く大きなスランプでもない限り優秀な選手はなんでもできてしまうことで深く技術に対する意識をしなくてもいいと言う人はたくさんいます。

しかし誰もがスランプに陥る可能性はありその際に抜け出す方法も身につけなければなりません、それが技術を振り返るポイントです。

技術を教わりそれができた時に何故できたのかを振り返り言葉に置き換えることが重要です。野球ノートをつけている選手も多いですが、そのコツを記入することをお勧めします。

レンガのように小さなものを積み上げて届いた高い場所は仮にレンガが崩れても崩れたところからもう一度積み上げればいいのです。しかしハシゴのような地盤がなく高い場所に届いた場合ハシゴを外した時積み上げるものがないため戻れる場所がなく今までやってきたことを思い出しながらもう一度一から積み上げしなければならなく克服するまでにとても時間がかかります。技術は毎日変化します。少しずつずれていくのです。それを毎日小さく修正して成長させると言うことが重要なのです。

藤浪選手がこれに当たるかどうかはわかりませんが、自身の特徴を周りのアドバイスで崩すかどうかは良く考えながら技術のメス入れに取り組んでまた日本を代表する選手として再生してもらいたいですね。

アスリートとしての心構え

清宮選手が日ハムにドラフト1位決まりました

http://number.bunshun.jp/articles/-/829150

彼の父親は言わずと知れたラグビーの清宮監督です。清宮父の教育方法は大変興味があります。子をアスリートとして育てる技術がたくさん詰まっています。まず小さい時はラグビーと野球をやらせ複合的なものの目線とバランスの良い運動能力の啓発を行い子供が選択した野球ならばと早くから高い意識を持たせ取り組ませていました。

リトルリーグでアメリカに遠征する辺りからすでに道が拓けていたように見えます。欠点を補わず利点をひたすら伸ばす育成方針やまずは高いところから目標を定める意識の高さこれは確実に父親から伝授されたものと考えられます。王さんのホームラン記録を目指したいなど普通では言いませんが彼は本気でそう思っているからその高い山を登ろうとする努力するんだなと感じます。

私自身はそれほどまでのカリスマではありませんので同様の指導はできませんが、いつから高い意識を持たせるのかその教育のタイミングを図っているところです。

楽しいで始めた野球ですからあまりプレッシャーを早い時期に植え付けると野球自体を嫌いになるのでそのタイミングは難しいところです。ボーイズに入部して順調なスタートを切りましたが思わぬ怪我により足踏みをはじめます。外傷なので復帰は早かったのですが、おごりや安心がプレーの質を下げます。まだ若年の中学生ですが野球の進路を決めるのは意外に早いので、陸上部だった私にとってみればもっとゆっくり時間をかけてアスリートとしての心構えを教えたいところですが、今回の怪我をターニングポイントと捉えてしっかりとこの先の進路を踏まえ向き合い話をしました。

硬式を続けるならば先を目指せと惰性でやるなら硬式を辞めて軟式をやれと言いました。ただ上手くなりたいとか漠然な目標ならば軟式をやりながら精神的な成長が訪れるまでスポーツを楽しみながら将来のことは漠然と考え高校辺りで自分の考えをまとめていけばいいのです。それ自体は何も悪くないことでその方が健全なのかもしれません、親としては辛い選択ですが夢を見るならやはり厳しい道を選択させるべきだと感じています。野球は厳しいスポーツです。人気があるからこそ競争も激しいです。

野球の場合目標が高いのならば、近い未来に向け今何をせねばならないかを説いていく必要があると考えています。

教え過ぎ教えなさ過ぎ

我が家には二人の息子がいます。長男は中学1年生次男は小学3年生です。どちらにも気をつけていることですが、教え過ぎないことです。小学生時期それも4年生くらいまでは楽しいを優先させたいと家庭では思っています。チーム指導者の方針にはもちろん従いますし人によって指導方法は異なりますが、預けた指導者に委ねるしかありませんから。ただしその根本は家庭での親と子のつながりがベースになります。

そのベースをどの様に育てるか?まずは楽しいを先に感じさせます。ただし時として放置と勘違いする場合がありますが、教えなさ過ぎもダメです。怪我の温床につながる投げ方を最優先に教えます。それが出来ればあとは何でもいいです。次に思いっきりバットを振ること、その後キャッチの仕方、キャッチからのスローイング、など徐々に教えていきます。息子が必要とすれば覚えていくものです。

長男がいることでいずれにせよ指導の比率は長男が高くなり次男は教えてもらわないことにストレスを感じます。そうなればしめたもの、教えたことの吸収は早くなります。

当然同じ親から同じことを教わるので兄を見て弟は学びます。兄がやる気を持ち野球に取り組む姿が弟にとってのベースとなり父親から教わる価値も上がってくるものです。

兄弟に共通するものは最初は楽しいから導入させたことです。弟にはまだ投球時の肘の位置くらいしか言っていません。

教え過ぎると防衛本能から聞かなくなります。教えなさ過ぎは技術の上達の速度が異様に遅くなります。

教え過ぎず、教えなさ過ぎず、このちょうど良い加減が重要なのです。

子供の自信と意欲について

上達につながる指導を行い、一進一退を繰越し上達につながるのは先に何度も書いています。ある一定の条件をクリアする、それは試合や大会などでしっかり戦えると感じた時に相対的に上達していることを理解します。

それは天然の力でなく指導による技術習得の上成果が出たならば、技術練習の意義を感じより多くのことを学びたいと言う意欲が湧いてきます。そうなればしめたものです。1段ずつしか登れなかったところから1段飛ばしで登れる様になり登る楽しみを感じ始めます。

やればできると言う気持ちが湧きます。それが自信です。負けた悔しさは技術のレベル差と捉えレベルアップすることで攻略する道筋を描きます。

自信がつけば多少の厳しいトレーニングも気にならず、それ自体を受け入れる様になります。そしてその先にあるものは自分で考える力です。そこまで辿りつけば、子供は自立して育っていきます。

これを実現するには、指導者と子供の信頼関係が大切であり、階段を登る様な技術指導ができ、試合で上手く行かなかった要因は姿勢や気持ちに求めず技術や体力に要因を求めることです。そしてそれを指摘して修正する、この繰り返しで徐々に階段を登り自分を否定されない安心感から自分を解放し始めて自立していきます。これは我慢の一言です。

木や花は怒鳴っても成長しませんが土を耕し肥料をやり定期的に水をやり雑草を抜く地道に育てれば間違いなく育ちます。

人には感情があり言葉があることでどうしても感情論に頼るところもありますが、技術習得は花や木の成長と同じです。